2017 年 17 巻 p. 75-80
この報告は,女性高齢者の意識調査からみた熱中症対策とエアコンの活用を明らかにすることを目的とした.その結果,次のことが明らかとなった.女性高齢者の熱中症対策の意識は高かったが,冷却グッズの利用は低かった.エアコンの活用について着目した.日中および就寝中の活用者は約7割であった.しかし活用していない者も少なからず見受けられた(日中22.2% 37名,就寝中26 .3% 44名).また,就寝中および日中も活用しない者は20名だった.20名は全体の約11%である.少人数だが熱中症になる危険は極めて高い.高齢者は体温調節機能が鈍くなっている.従って,自分の意識に頼るのではなく,客観的な指標(温度計,熱中症予報など)を用いて健康管理をすることが重要であることが示唆された.