大阪音楽大学研究紀要
Online ISSN : 2433-4707
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コミュニティ・アートとしての音楽「世界のしょうない音楽ワークショップ」(2014〜2019)の実践より
井口 淳子
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2020 年 58 巻 p. 8-24

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抄録

近年、アーティストが市民と協働創作を行う「コミュニティ・アート Community Art」の 実践がさかんに行われている。
 美術分野などと同様に、音楽においても、ハイ・アート、クラシック音楽といった鑑賞の 対象として存在する芸術ではなく、一般市民が能動的に演奏、創作行為に参加し、その実践 プロセス自体に価値を見出すコミュニティ・アートとしての音楽、すなわち「コミュニティ・ ミュージック」が少しずつ広まりつつある。
 本論では、2014 年から始まった豊中市主催の「世界のしょうない音楽ワークショップ」 の 5 年間の実践内容をもとにコミュニティ・ミュージックの可能性と課題を論じる。作曲 家とプロの音楽家が一般市民と 50 名以上のオーケストラを編成し、毎年、新たな創作作品 を舞台で演奏する試みは、世界的にも希有なものである。

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