2021 年 20 巻 2 号 p. 115-127
本研究では,(1)石垣島において教師がSCに期待する心理支援の在り方のモデル化,(2)得られたモデルから明らかになった石垣島特有の心理支援における課題の考察,の2点を目的とした。10名の研究協力者にインタビューを実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した結果,【島特有の対人関係への理解】【チーム学校におけるSCの役割理解】【多様な専門性の発揮】【配置の特殊性による課題の検討】という4つのカテゴリーと,22の概念からなる心理支援モデルが構築された。ここから,SCの外部性維持の困難さ,守秘義務の検討必要性,専門性に対する誤解や質の不均一さ,SCの配置時間数の少なさという4つの課題が明らかになった。