1991 年 83 巻 6 号 p. F58-F79
本論文では、量子力学の新しい測定公理を提唱ナる。この公理はコペンハーゲン解釈の自然な拡張として特徴付けられるが、コペンハ-ゲン解釈に慣れた間隔からすると、かなりラジカルな主張をすることができる。ここでは、この新しい測定公理のもとに、次を主張する:(i)ハイゼンベルグの不確定性関係("Δ(Q)・Δ(P)≥h/2")の「不完全さの程度」Δ(Q)(及び、Δ(P))は(平均)誤差として特徴付けすることができる。(ii)粒子の(離散的)トフジェクトリーの概念は意味をもつ(もちろん、誤差含みではあるが)。さらに、(ii)についてはその応用として、2-スリット実験の数値解析の結果も述べる。