素粒子論研究
Online ISSN : 2433-2895
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Particle-like Fieldの量子化について(I)
喜多 秀次
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1956 年 13 巻 2 号 p. 200-207

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抄録

数年前、方程式がN.Rosen及びR. Finkelsteinは、ある種のC-数非線型場方程式がparticle-like solution,即ち場がそれ自身で定常的に或る有限な空間領域に光に分布している解をもつこと、そしてそのような分布をもつ場の塊(以下ではこれを、particle-like fieldと呼ぶ)をextended particleと解釈することができるということを示した。この理論は、古典的な場の概念を粒子にまで拡張している点に於いて、従って、また、裸の粒子という概念に準拠しないで最初からphysical particleを考えねばならないような建前になっている点においても、更にこうして得られる粒子のmodelは、古典的なinfinite self-energyの困難を伴わないextended particle (dynamically deformableな)であるという点に於いて注目すべき特長をもっている。このようなparticle-like fieldを量子論的に取扱う試みは、その後行われたが、まだ充分満足すべき結果が得られていない。ここではそれらとは稍、異る観点に立って、particle-like fieldの量子化の問題を考察することにする。

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© 1956 著者
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