著者はまだ「医学教育では食えない」と言われた時代から,「教育研究」をライフワークとしてきた.今では,9割近くの医学部・医科大学に医学教育の専任部門(いわゆる医学教育ユニット)が出来,医学教育を専門として研究実践していても,それでそれなりに社会的にも食っていける時代になったことは隔世の感がある.
世界的にもevidence based medical educationというようなことが言われるようになり,国際的な医学教育の分野別認証評価でも,教育専門家の配置とその教育実践研究に基づく根拠のある教育改善活動が,国際的にも国内的にも求められるような時代になっている.
こういった時代的要請を受けて教育専門家の養成も急務となり,日本医学教育学会では学会認定医学教育専門家の養成を開始しており,また,文部科学省認定医学教育共同利用拠点である岐阜大学医学教育開発研究センター(MEDC)でも新たにアソシエイト/フェロ-シップの制度を開始して教育専門家養成を開始している.