ペストロジー学会誌
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Print ISSN : 0916-7382
事例報告
食品工場でフェロモントラップにより捕獲される蛾類
城戸 毅
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1992 年 7 巻 1 号 p. 45-47

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抄録

大型食品工場では,蛾類は通年発生しているため,年間を通した対策が必要である.

最初の発生を見のがし,防除適期をのがしたり,発生箇所の限定をしない防除作業では,発生箇所が分散してしまい,大量発生となりやすい.今回のデータは,発生数そのものは多くはなかったが,調査開始1年後の,89年8月をピークとする発生消長を示した.その後一部のライン(2ライン包装場)での発生が認められたものの,フェロモントラップによるモニタリングを基にした,定期的発生源の除去・殺虫剤処理を合わせて行った結果,発生箇所・発生数が減少していくようになった.食品工場における蛾類の防除対策には,フェロモントラップは,発生の抑制に利用できる有効な手段であると言える.

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© 1992 日本ペストロジー学会
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