ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
原著
高知の施設園芸地帯で発生したdiflubenzuron抵抗性のイエバエについて
竹中 淳松崎 沙和子
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2000 年 15 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

1.室内累代飼育コロニー三里'98と針木'98の幼虫に対する diflubenzuron のIC-50値は,三里'98は室内累代飼育10代目と20代目でともに>40,000ppm,針木'98は10代目と18代目でそれぞれ1.9,2.9ppm,を示し,三里'98は高度の抵抗性,針木'98は感受性であった.また,両コロニーとも累代飼育による抵抗性の顕著な発達または消失は認められなかった.

2.三里'98と針木'98との正交配による F1・F2のIC-50値は50.3-89.8ppmを示し,三里'98と比較すると著しく低下した.

3.この時の羽化阻害率-薬剤濃度の回帰直線において,三里'98と上記のF1・F2は,156-625ppmから40,000ppmに及ぶプラトーを生じ,そのプラトーが生じる羽化阻害率は,三里'98で30-40%,F1・F2ではともに80-90%となり,感受性コロニーとの交配でより高まった.

4.diflubenzuronと同様の表皮形成阻害剤に分類されるcyromazineの三里'98と針木'98に対するIC-50値は,それぞれ0.67,0.48ppmで,この二つの薬剤に対する交差抵抗性は認められなかった.

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© 2000 日本ペストロジー学会
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