日本きのこ学会誌
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埋雪されたコナラ葉枯らし原木における含水率・内樹皮呼吸活性の変化とシイタケ菌糸の成長
霜村 典宏寺島 和寿長谷部 公三郎
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2008 年 16 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

シイタケ原木栽培においては基質として,コナラやクヌギ等の立ち木を黄葉初期に伐採し枝葉を付けたまま一定期間乾燥させ内樹皮組織の呼吸活性が低下した原木(葉枯らし原木)が広く用いられている.多雪地帯においては,葉枯らし中の原木が雪に埋まると原木の活力が復帰し,シイタケの初期成長が遅延すると考えられているが,これを精査した研究は未だ無い.本研究では,玉切り原木(葉枯らし無し原木)および葉枯らし原木を用いて,埋雪前後の原木含水率(内樹皮・辺材部),内樹皮呼吸活性およびシイタケ菌糸の成長量を調査した.葉枯らし原木では,内樹皮・辺材部の含水率および内樹皮呼吸活性が葉枯らし無し原木と比較して有意に低下した.埋雪によって葉枯らし原木の内樹皮含水率および呼吸活性は上昇したが,辺材含水率は変化しなかった.シイタケ菌糸は葉枯らし原木において埋雪の有無を問わず旺盛に成長した.

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2008 日本きのこ学会
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