教育メディア研究
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パプアニューギニアの教育制度と教育改革をさぐる : 情報通信技術は改革の支援になりうるか
大作 勝
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 11 巻 1 号 p. 61-77

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抄録

パプアニューギニアの教育困難について考察する。初等学校の就学率を高め、中等学校への進学率を向上させる、識字率向上等の目的で教育改革がなされた。1994年から本格化した改革は、主に初等中等教育に関するものである。学校制度は以前の6年(初等)、4年(中等)、2年(中等)から、3年(初等、幼稚園を含む)、6年(初等)、4年(中等)となった。学校では質・量ともに教員が不足している。制度変更による不足に、人口増によるものが加わっている。交通事情はきわめて悪い。したがって移動、輸送に伴うコストは大である。飛行機だけが頼りであるが機材は小さく、便数は少ない。社会的インフラストラクチャーの未整備、特に未配電問題は深刻である。これらを早急に解決するには、政府の財政事情はあまりにもよくない。近年、衛星デジタル放送、インターネットに代表される情報通信技術の発達はめざましい。本稿ではこの国の教育困難を解決すべく情報通信技術を利用した遠隔教育について述べる。これを支援するために、教育メディアセンターおよび高等教育機関の果たす役割は大きい。また遠隔教育で解決可能又は困難な点についてもふれた。

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© 2004 日本教育メディア学会
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