2016 年 37 巻 p. 219-231
本論は2014年に行われた国際バカロレア中等課程プログラム(IBMYP)の改訂についての続編である。前回の論文では探究学習,概念学習,文脈による学びなどの特色が,より一層明快になったこと,小中高の各プログラム間の連続性がさらに強まったこと等がわかった。本論では評価を中心に見たところ,評価規準が各学年とも全て公表されたこと,4つの評価規準の点数が統一されたこと,授業や評価をする上で必要な用語を指示用語として統一し意味も明確化したことなどから評価の面でも導入のしやすさが,はかられたことがわかった。また,単元指導案を日本の教科書題材を基に作成し検討することにより,MYPの単元での学ぶべき内容や評価について検討した。さらに改定後の評価規準と日本の評価の観点を比較検討した。これらのことから日本の1条校でもMYPの導入がさらに容易になったことが確認できた。