山口医学
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症例報告
フィラデルフィア染色体陰性骨髄異形成症候群/骨髄増殖性疾患の3症例
田中 芳紀松井 久末子櫻木 志津三谷 紀之松田 万幸篠原 健次
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2005 年 54 巻 5 号 p. 139-145

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抄録

WHO分類により骨髄異形成症候群/骨髄増殖性疾患myelodysplastic/myeloproliferative diseases (MDS) / (MPD) に分類されるPhiladelphia (Ph) 染色体陰性の非定型慢性骨髄性白血病atypical CML (aCML) 2例と慢性骨髄単球性白血病chronic myelomonocytic leukemia (CMML) 1例を経験した.aCMLの2症例は白血球増加,各成熟段階の顆粒球系細胞の増加,顆粒球の異形成を認めたが染色体異常は認めなかった.CA (cytosine arabinoside, aclacinomycin) 療法,interferon (IFN) -α,hydroxyurea (HU) にて治療を行うも不応性であり脳出血を起こし死亡した.CMMLの症例は当初は骨髄線維化を伴うMDSとして発症したが後に著明な単球増加を伴うCMMLへと病型移行した.CA療法,VP-16を投与するも効果なく肺真菌感染症にて死亡した.形態学のみでこれらの疾患の診断を行うのは完全ではない.将来的には分子生物学的異常が解明され,それに基づく診断と特異的治療法の開発が望まれる.

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© 2005 山口大学医学会
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