西日本皮膚科
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図説
右拇指先端に生じた線維骨性偽腫瘍
水田 康生瀧川 充希子眞部 恵子浅越 健治
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2024 年 86 巻 2 号 p. 115-116

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抄録

患者:76 歳,男性

主訴:右拇指の紅色小結節

現病歴:初診 1.5 カ月前より右拇指に誘因なく紅色丘疹を生じた。徐々に増大したため当科を受診した。

初診時現症:右拇指先端に 4×4×5 mm の有茎性,弾性硬の紅色小結節を認めた(図 1 a)。軽度の圧痛を伴っていた。

ダーモスコピー:dotted vessels,linear irregular vessels,圧迫にて white structureless areas を認めた(図 1 b)。

病理組織学的所見:右拇指小結節を全切除生検した。表面にびらんを伴う有茎性の腫瘤で,骨との連続性はなかった(図 2 a)。また,Masson trichrome 染色では病変内に不規則な膠原線維の増生を認めた(図 2 b)。真皮内に破骨細胞と骨芽細胞を辺縁に伴う woven bone(線維性骨)の不規則な増生がみられた(図 2 cd)。

治療および経過:術後 2 年 6 カ月時点で明らかな再発を認めない。

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