西日本皮膚科
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症例
偽リンパ腫を伴ったシェーグレン症候群の1例
宮脇 さおり磯村 巌森田 明理榊原 茂
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2004 年 66 巻 2 号 p. 124-127

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抄録

21歳女性。1年前より眼球および口腔乾燥感, う歯の多発に気付く。さらに腹部に紅色丘疹が出現, 胸部・上肢にも同様の皮疹が拡大し, 近医受診し加療されるも改善せず, 当科紹介受診となった。初診時, 腹部・胸部・上肢に暗紅色丘疹を認めた。シルマー試験陽性。唾液分泌の低下がみられた。口唇腺生検では腺細胞の軽度萎縮と形質細胞をまじえるリンパ球の浸潤を認めた。腹部の病理組織学的所見では, 真皮上層から皮下組織に結節状の密なリンパ球浸潤があり, 胚中心をもったリンパ瀘胞様構造を認めた。免疫組織学的所見では, L26染色陽性細胞が大部分を占めUCHL1染色陽性細胞が細胞塊の辺縁に局在したリンパ瀘胞様構造であった。臨床所見, 病理組織像より偽リンパ腫を伴ったシェーグレン症候群と診断した。

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© 2004 日本皮膚科学会西部支部
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