西日本皮膚科
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症例
原発性全身性アミロイドーシス
佐藤 恵実子今山 修平佐藤 裕
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1985 年 47 巻 4 号 p. 613-621

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抄録

71才男子。多彩な皮膚症状を呈し, 心不全で急死した原発性全身性アミロイドーシスの1例を報告した。剖検により, 全身の諸臓器にアミロイドの沈着が認められた。皮疹部の光顕所見では, ダイロン, コンゴ·レツド染色で, アミロイドの沈着を真皮に認め, 血管周囲にもアミロイドの沈着が認められた。電顕所見では, 表皮基底膜直下から, 真皮にかけてアミロイド塊が認められ, その間を線維芽細胞が突起を伸ばしていた。一部, 線維芽細胞の突起の間に, 正常なコラーゲン線維が残存しているのが観察された。また, 血管内皮細胞の基底膜の間質側に密接して, アミロイド細線維が認められており, これら光顕·電顕所見から, 血管内皮細胞を透過したアミロイドの前駆蛋白が, 何らかの機序でアミロイド細線維となり, 組織間液の流れにのつて拡散し, 線維芽細胞, 最終的には表皮基底膜にさえぎられて蓄積していつたものと考えた。

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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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