西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
協賛論文
北海道道北地方(旭川市を中心とする)における乾癬
—昭和51年11月から昭和54年10月までの3年間における統計的観察—
日下部 芳志水元 俊裕大河原 章
著者情報
ジャーナル 認証あり

1981 年 43 巻 Suppl 号 p. 1015-1018

詳細
抄録

北海道道北地方における乾癬に関して, 旭川医科大学付属病院開院時から3年間の統計をまとめ, あわせて他施設の統計と比較した。その結果,
1) 発生頻度は, 新患総数に対し2.6%で, 全体として欧米の報告に類似する。
2) 平均初発年令は32.2才で, 本邦の統計にほぼ一致するが, 欧米にくらべ遅い傾向にある。
3) 初発時年令を男女別にみると, 男性34.7才に対し, 女性では27.8才で, 女性にやや早い傾向がうかがわれた。
4) 男女比は, 男:女=2.24:1で, ほぼ本邦の報告に一致するが, 欧米とはやや趣を異にする。
5) 初発部位は, 頭部, 四肢に多く, Koebner現象が発症のひきがねになるのではないかという従来の説が支持されると思われる。
6) 既往歴に上気道炎を有するものが多かつた。
7) 家族内発生率は9.1%で, 全国的平均のおよそ7%にくらべ, やや高い傾向がうかがえた。

著者関連情報
© 1981 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top