日本水産学会誌
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飼育環境下におけるアサヒガニの卵サイズおよび水温と抱卵期間の関係
市川 卓浜崎 活幸浜田 和久
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2004 年 70 巻 3 号 p. 343-347

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抄録

飼育環境下でアサヒガニの卵サイズを測定し, 産卵時, 胚体出現時および発眼時からふ化までの抱卵期間と平均水温の関係を調べた。卵の長径, 短径, 体積は, 産卵当日の約0.66mm, 0.60mm, 0.13mm3からふ化前日の約0.83mm, 0.79mm, 0.27mm3まで増大した。抱卵期間は水温の上昇にともない指数関数的に減少した。抱卵期間と水温の関係に三つの非線形モデル式を適用した結果, Belehrádekの式と積算温度則の適合度が良く, 両式の卵発育における理論的な低温側の臨界温度を表すパラメータは, それぞれ16~18℃と14~15℃程度の値を示した。

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© 2004 公益社団法人 日本水産学会
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