神奈川県近郊の海岸および市場より入手した19科36種の貝類についてリゾチーム活性の分布を検討した。試料貝類より殼を取り除いたむき身全体を,5倍容量のリン酸塩緩衝液と共にホモジナイズし,遠心分離して得られた上澄液を粗酵素液とした。これら粗酵素液のリゾチーム活性を,Micrococcus lysodeikticusの乾燥菌体を基質として測定したところ,27種にリゾチーム活性が確認され,そのうち5種では,リゾチーム含有量が高いことで知られるニワトリ卵白に準ずる著しく高い活性が認められた。一方,リゾチーム活性を欠く貝の存在も示唆された。