多獲性のマアジのねり製品原料としての利用化学的特性を明らかにするため, 1998年11月から1999年12月にかけて長崎沿岸域で中小型旋網漁船により漁獲されたマアジを供試し, 落し身およびこれに清水晒とアルカリ塩水晒を行なったマアジ肉から調製したかまぼこ形成能の季節的変動を検討した。かまぼこ形成能は, 産卵期とおよび産卵期直後と推定される2∿6月頃では低く, さらに坐りにくく戻りやすいという傾向を呈した。アルカリ塩水晒と清水晒肉は類似した坐りおよび戻り特性を示すが, 前者の方が戻りの低減と90℃加熱でのかまぼこのゲル形成が少し強かった。