Spawning Per Recruit (SPR)解析は, 乱獲を回避するための漁獲率の決定法として世界中で広く利用されている。本研究では, 京都府周辺海域のズワイガニの利用状態をSPR解析により診断した。保護区による管理が導入される以前にはズワイガニのSPRは漁獲がない場合の1.1%まで減少していた。保護区の管理によって, SPRは4.2%まで改善された。さらに漁具を現行の底曳網からカニカゴへと移行させて未成体の混獲死亡を減少させると, SPRを13.8%まで改善できることがわかった。これらの結果を基に, 資源の持続に最低限必要な20%SPR, さらには最適水準の35%SPRを達成するための方策について検討した。