2018 年 84 巻 1 号 p. 2-13
クロマグロの資源評価には,統合型資源評価モデルが用いられており,漁獲物を代表するサイズ組成は,重要な入力情報のひとつである。本研究では,24道県から収集した定置網漁業の漁獲量とサイズ組成データを層化し,一般化線形モデルによる基準を用いた段階的引きのばし手法により,日本沿岸で漁獲されるクロマグロのサイズ組成を推定した。結果より,定置網で漁獲されるクロマグロのおよそ60%は,秋季から冬季に漁獲される0歳魚であること,1歳魚以上は夏季から冬季の本州太平洋側北部や青森県以北で主に漁獲されることが示された。