2017 年 83 巻 1 号 p. 59-67
本研究では三重県神前浦地区を事例に企業の養殖業新規参入と漁業者の意識の関係を二種類のアンケート調査から調べた。因子分析の結果,漁業者は6つの評価軸で養殖業の新規企業参入を評価していた。因子分析の結果から6つの参入条件を選び,選択実験を行った結果,神前浦地区の漁業者は基本的に企業参入には反対の姿勢を持っており,参入の条件として「地元住民の優先雇用」,「生餌の使用制限」,「社長・担当者の出身地」,「魚種」,「会社の規模」の順で重視していることがわかった。