日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
報文
近海延縄漁業で水揚げされるヨシキリザメの鮮度と臭気成分について
大村 裕治木宮 隆今村 伸太朗鈴木 道子
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 82 巻 4 号 p. 619-627

詳細
抄録

 近海延縄漁船が気仙沼に水揚げするヨシキリザメ肉を臭気抑制して正肉加工原料化するための基盤的知見を得ることを目的として冬期および夏期の水揚げ魚の鮮度と臭気成分を調べた。K 値は漁獲から水揚げまでの日数が長いほど上昇し,両者の間に強い直線的相関関係が認められた。一方,アンモニア含量は航海中の漁獲時期にかかわらず低かったが個体間のばらつきは航海前期漁獲魚の方が大きかった。水揚げ後の市場静置中に K 値,アンモニア含量ともほとんど増加しなかった。以上の結果から正肉加工品には航海後期漁獲魚が適すると考えられた。

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top