日本歯周病学会会誌
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F. nucleatum, A. actinomycetemcomitans, P. gingivalis免疫マウスの食細胞活性および抗体産生の比較
勅使河原 秀三郎加藤 千穂美斎藤 和子
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1992 年 34 巻 1 号 p. 160-172

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抄録

歯周病原細菌Fusobacterium nucleatum (Fn) ATCC22586, Actinobacillus actinomycetemcomitans (Aa) Y4, Porphyromonas gingivalis (Pg) 381三菌属を用いて生菌免疫を行い活性酸素産生 (CL反応), 食菌率, 食菌数, 抗体産生 (ELISA) 効果についての比較を目的とした。CL反応はルミノール添加で行った。
正常および免疫動物の多形核白血球のCL反応はFnに拠る刺激で高く反応し, Aa, Pgに比して5~7倍を示した。食菌率と細胞100個内総菌数もFn刺激の際に増加した。しかし, 正常と免疫の間に差は見られなかった。
正常マクロファージはすべての菌に対して反応しなかった。免疫マクロファージではFn免疫のみでCL反応, 食菌率, 食菌数の増加が認められた。Fn免疫でIgMとIgGが, Aa, Pg免疫でIgGが優位に産生された。
Fn生菌免疫では細胞性免疫と体液性免疫が誘導され, Aa, Pg免疫では体液性免疫の誘導されることが明らかになった。

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