日本歯周病学会会誌
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レーザー・ドップラー血流計を用いた歯肉毛細血管血流量の基礎的研究
山倉 久史岡田 菜穂子戸塚 明美大竹 徹宮下 元長谷川 紘司
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1986 年 28 巻 2 号 p. 646-653

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抄録

歯周疾患の病態を客観的に表わす方法として, 種々の疫学指数や歯肉溝浸出液量などが用いられている。炎症の進行に伴ない, 毛細血管の走行や形態は変化し, これらは血流と深く関わっていると言われているが, これまで血流量を非接触状態で計測する良い方法がなく, 量的変化についてはよくわかっていない。我々は, レーザー・ドップラー血流計で計測した歯肉毛細血管血流量が, 病態を客観的に把握することが可能か, また再現性・記録性についても検討した。
被験者をGIによりグループ分けし, 被験部は上顎中, 側切歯頬側歯肉とした。血流量と同時に計測したProbing depth, GCFなどの計測値との関連性についても検討を行なった。その結果, 被験者個人での再現性は認めたものの, 被験者間での波形に統一性はなく, 統計学的にも各グループ問に有意差は認められなかった。しかし, 本器を応用するにあたっての条件がいくつか明らかになった。

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