獣医麻酔外科学雑誌
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キシラジン・リドカイン混合液による牛の腰椎分節硬膜外麻酔時のエフェドリン投与効果
田口 清二ノ宮 青葉阿部 紀次山田 明夫
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1995 年 26 巻 3 号 p. 67-73

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抄録

健康なホルスタイン種成乳牛17頭を4頭ずつ5群に分けて, 計20回のキシラジン・リドカイン混合液 (XL) による腰椎分節硬膜外麻酔を行った (3頭は1週間間隔で2度用いた) 。エフェドリンを投与しなかったコントロール群では硬膜外薬液投与後30~120分で約20%の平均血圧の下降がみられた。他の4群にはXL液の硬膜外薬液投与10分前に4種類の方法 (0.2mg/kg静注, 0.2mg/kg硬膜外投与, 0.5mg/kg皮下注, 1.0mg/kg皮下注) でエフェドリンを投与した。0.2mg/kg静脈内投与した群および0.2mg/kg硬膜外投与群では, それぞれ約15および10%の平均血圧の下降がみられたが, 1mg/kg皮下注射した群では20%以上の血圧上昇と鎮静効果持続時間の短縮がみられた。0.5mg/kg皮下注射群では, 収縮期, 拡張期, 平均血圧ともbaseline値を維持し, XL液による腰椎分節硬膜外投与による鎮静効果にも影響を及ぼさなかった。

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