日本獣医麻酔外科学雑誌
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原著
犬の消化管間質腫瘍(GIST)の臨床的特徴とc-kit遺伝子変異
衛藤 翔太郎谷 健二 石井 遥石田 さおり伊藤 晴倫板本 和仁高橋 雅弘新田 直正水野 拓也中市 統三檜山 雅人田浦 保穂
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2016 年 47 巻 3 号 p. 39-46

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抄録

外科切除によって病理組織学的に犬消化管間質腫瘍(GIST)であると診断された11症例の臨床的特徴とc-kit遺伝子の変異について調査した。腫瘍発生部位は、盲腸7例(63.6%)、小腸2例(18%)、十二指腸、結腸各1例(9%)であり、その増殖様式は、管外型7例(63.6%)、壁内型1 (9%)、管内型2例(18%)、不明1例(9%)であった。6症例(54.5%)においてc-kit遺伝子のエクソン11に変異が見つかったが、エクソン8、9および13では見つからなかった。c-kit遺伝子変異は全症例の54.5%で認められ、最も多く見られた盲腸・管外型病変を呈した症例では80%と高率に検出されたことから、犬のGISTの病因にc-kit遺伝子変異が深く関与していることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人日本獣医麻酔外科学会
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