45°のらせん角をもって強化繊維が巻かれたゴム円筒は振動輸送機のばねとして有用である. このような繊維強化ゴム円筒が用いられる理由として, 振動輸送機の組立て構成が簡単化されることと, 共振周波数付近での出力に対するゴム材料の減衰効果が期待される. 本論文では, らせん巻き繊維によって強化されたゴム(HFRR)円筒が軸力PとねじりモーメントTを受けるときの変形を, 円筒の上下端が固定状態にあるという境界条件の下で解析した. このHFRR円筒のもつ, PおよびTに対する連成剛性マトリックス, およびコンプライアンスマトリックスを表式として与えた. PおよびTの単位量に対する伸び, および回転角は実験値とよく一致することを確かめた. さらに, このHFRR円筒に振動台を付けた振動輸送の固有振動数を計算した. ただし, HFRR円筒の質量を無視している. 計算された固有振動数は実測値と近い値を与えることが示された.