日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
p-フェニレン-3,3'-ジシドノンによるゴムの加硫
林 護山下 晋三川端 成彬
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 45 巻 12 号 p. 1069-1073

詳細
抄録

ブタジエン系の合成ゴムに対する新しい加硫剤として, p-フェニレン-3, 3'-ジシドノン (PDS) が有効であることを見いだした. すなわち, PDSを配合したゴムを180°Cで20~40分間熱プレスすることにより, 良好な耐熱性を有する加硫物が得られた. これはゴムに配合したPDSが加熱により, ゴムの二重結合に双極子付加してピラゾリン環を形成し, ゴムの架橋をするものと考えられる. PDSによるゴムの加硫に際しては, 加硫反応中に炭酸ガスが発生し, 純ゴム配合の場合には得られた加硫物が発ぽう体となった. しかしながら, カーボンブラックまたは酸化カルシウムを配合することにより発ぽうが防止された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top