日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
テレフタリルフェニルヒドラジドクロリドによるゴムの加硫
ゴムの無いおう加硫に関する研究 (第2報)
林 護山下 晋三川端 成彬
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 44 巻 11 号 p. 915-922

詳細
抄録

テレフタリルフェニルヒドラジドクロリド (TPC) が脱塩化水素剤の存在下において, 不飽和結合をもつゴムの加硫剤として有効であることを見出した.すなわち, TPGとトリエチルアミンなどの塩基性化合物を, SBRなどのジエン系ゴムあるいはEPDMに配合してプレス加硫することにより加硫ゴムを得た.これらの加硫ゴムはすぐれた強度特性および良好な耐熱老化性を示すことを明らかにした.これはTPCが塩基性化合物の作用により脱塩化水素されて, 中間体としてジニトリルイミンを生成し, このジニトリルイミンがゴムの不飽和結合に付加して, ゴムを橋かけするものと推察される.また, TPC配合のゴムシートを, 強塩基の溶液に浸せきして加硫する方法についても検討を加えた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top