土屋ら (1993) は, Bali島のKuta海岸の侵食に関し, 1968年に空港滑走路がリーフ上に建設されたことによってsedimen-tation cellが分断されたことが原因であるとした. しかしその後の調査によると種々の矛盾点が見出され, 侵食原因をこれに求めることは物理的に困難であることが判明した. そこで新たにヒアリング調査・数値計算・理論検討などを行い, これらより侵食原因がリーフ上で広範に行われたcoral miningによってリーフ水深が増加し, 波の屈折特性が変化するとともに, 波高が増大したことにあったことを突き止めた.