海岸工学論文集
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感性工学的手法を用いた海岸事業の便益推計に関する研究
熊谷 健蔵松原 雄平
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2002 年 49 巻 p. 1381-1385

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抄録

海岸整備の事業評価として海岸の価値を仮想評価法で計測する例が見られるが, 受益者が海岸のどの面にどれだけの金額を支払い, 保全あるいは利用する価値を認めるかは曖昧なままである. 本研究においては, 海岸景観の構成要素と住民の評価の因果関係について感性工学ならびに経済学的手法による検証を試み, これまで曖昧にされてきた受益者が感じる消費者余剰と海岸景観の構成要素の因果関係を明らかにすることを目的とした. アンケート調査の結果, 景観評価から得られた第1主成分の因子得点と支払意思額の相関係数は0.90と高く, 感性工学的手法を用いることによって海岸事業の便益推計の妥当性を評価することができた.

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© 社団法人 土木学会
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