土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
方向スペクトルの多峰性を考慮した護岸越波浸水計算の精度向上に関する一考察
平山 克也藤木 峻
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_37-I_42

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抄録

 東京湾に面する横浜市金沢区福浦地区では台風1915号の通過に伴い越波による浸水被害が発生した.このとき,二方向から来襲した湾内発生波に湾外から侵入したうねりが重畳したことが既往研究により示され,これらの再現計算が試みられているが,護岸背後の越波浸水状況の再現性を定量的に議論するまでには至っていない.そこで本研究では,越波浸水計算に用いる入射波の方向スペクトル形状に着目し,浅海波浪推算で得られた多峰型スペクトルの空間分布,及び代表波浪諸元に対する一山型関数スペクトルの一様分布に対する多方向不規則波をブシネスクモデルで造波し,その違いを考察した.しかし,一部を除き痕跡高に対する最大浸水高の再現性は両者の結果に大差なく,この改善には湾外から来襲するうねりの再現性を高める必要があることが示唆された.

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