2021 年 77 巻 2 号 p. I_13-I_18
リーフ地形でも台風などの低気圧により生じる高潮・高波によって,越波被害を受けることがある.そのため,リーフ海岸に越波対策を計画する際には,リーフ上の波浪変形特性を把握する必要がある.本研究では非静水圧波浪モデルSWASHを用いてリーフ上の波浪変形計算を行い,その適用性について検討した.準2次元と準3次元計算共に模型実験結果と現地観測結果を良好に再現できることを示した.特に,鉛直層数が少ないケースでは,様々な入射条件に対してリーフ上の波浪変形計算へのSWASHの適用性が高いことを示した.マニングの粗度係数を変更するとリーフ上の波高が変化することを明らかにし,現地海域を対象とした波浪変形計算に適した粗度係数を提案した.ただし,逆勾配を有するリーフ地形では,数値振動が発生してしまうことを確認した.