2019 年 75 巻 2 号 p. I_973-I_978
津軽海峡におけるつば付き漸拡型ディフューザによる小規模潮海流発電の実現可能性を探るにあたり,現地の流況に特化したディフューザ形状の最適化を図るため,ディフューザのつば長さh,開き角θ及びディフューザ長さLに着目し,それぞれの値を変化させたつば付き漸拡型ディフューザの増速メカニズムを,定常循環流条件下での 2次元断面模型実験及び3次元形状に拡張した数値シミュレーションを実施することで検証した.結果,実験ではh, Lに関してはつば背後の渦輪生成による負圧領域の牽引が増速メカニズムの要因となるのに対し,θはディフューザ外縁方向に働く揚力が重要な役割を果たす傾向があることがわかった.一方,解析において増速域の発達を阻害する要因は,h, θの寸法を大きくした場合に生じる背後の渦スケール及び乱れの増大であること,Lの寸法を大きくした場合では背後域の圧力低減効果の低下であることがわかった.