2016 年 72 巻 2 号 p. I_1705-I_1710
観光資源としての鳴き砂海岸を保全する上で,5種類の観点からその特性を検討した.鳴き砂海岸の地質は大きく3タイプに区分され,動的平衡地形が多く,ポケットビーチの形状としての特徴が顕著である.色彩としては茶系が多いものの顕著な違いはない.化学元素は7種類が主な元素であり,一般的な海岸と同じであるがSiの割合は高い.また,貝殻片を多量に含みCaが卓越する鳴き砂海岸も存在する.鳴き砂の風化と成熟度の値は地域ごとの差異はあるが,両者の変化率はほぼ同程度であり,場所によらない特性がある.音声と底質特性から個々の粒子特性である粒径が第1ピークに影響を及ぼし,淘汰性が第2ピークに影響をする.