2019 年 75 巻 1 号 p. 107-115
神奈川県三浦半島に分布する葉山層群は地盤が脆弱であり,地すべりが多い地域として知られている.このような箇所での土木工事において,想定以上の土圧が構造物に作用し大きな変状に見舞われることがある.本地域におけるこのような変状についてはいくつかの事例報告はあるものの未解明な部分が多い.本研究では,葉山層群にて建設された半地下式開削工事で発生した過大な変状について施工データをもとに分析し,その挙動メカニズムについて考察する.さらに,原位置試験,室内試験結果をもとに実施した再現解析などにより,その原因について考察し,このような地盤での設計時の留意点について論述する.