2022 年 78 巻 3 号 p. 331-349
本研究では,主径間長650mを3径間有する多径間連続斜張橋および多径間連続吊橋を対象に,主径間長600mの2主塔斜張橋および既往の長大橋実績と比較することで構造実現性を確認する.静的構造特性では多径間連続斜張橋および多径間連続吊橋とも従来の2主塔斜張橋に比べ活荷重による部材設計への影響が大きいものの実現可能であることを確認した.耐震性に対しては両橋とも実現性に対する大きな課題はないことを確認した.桁の耐風性に対しては多径間連続斜張橋は桁のたわみ振動数が小さいものの,既往2主塔吊橋と大差がなく,ゼルベルグ式による検討の範囲では実現可能であることを確認したが,多径間連続吊橋では桁のたわみ振動数が多径間連続斜張橋のそれよりもさらに小さく,桁の耐風性に対して慎重な検討が必要であることを確認した.