2021 年 77 巻 4 号 p. I_174-I_183
RC製地中構造物(ボックスカルバート)の耐震性能照査の高度化に関する研究の一環で,これまで実施例の少ない実大規模(部材厚1m以上)のRC製柱部材を対象とした水平二方向ベンチマーク実験が行われ,三次元非線形解析の精度向上検討のための基礎データが得られた.本研究では,このベンチマーク実験を対象に,汎用解析コードを用いたシミュレーション解析を実施した.初めに,水平二方向に繰り返し載荷を受けせん断破壊する実験の初期載荷について実験と解析の比較を行い,離散鉄筋を用いた三次元材料非線形解析手法の適用性を確認した.そして,様々な水平二方向の載荷が部材のせん断破壊挙動に与える影響を数値解析により検討した.また,解析で得られたひび割れ発生状況について,三次元的な進展,繰り返し載荷に伴う開口状況を分析した.