土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
ISSN-L : 2185-4653
地震工学論文集第36巻(論文)
鉛プラグ入り積層ゴム支承(LRB)の地震時の応答増大に着目した耐震性評価に関する一考察
内藤 伸幸松田 泰治宇野 裕惠川神 雅秀
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2017 年 73 巻 4 号 p. I_522-I_536

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抄録

 免震支承の特性は様々な要因により変化するため,橋の地震時挙動は設計で想定する挙動と異なり,免震支承のせん断ひずみが大きくなることがあるが,破断ひずみまでの余裕は大きくない.本論文は,鉛プラグ入り積層ゴム支承(LRB)を対象に各種依存性や耐久性能による剛性低下や橋脚の過強度が,地震時の支承の挙動に与える影響をケーススタディした.その結果,LRBの剛性低下が設計で想定する範囲内であれば,現行設計で設定したせん断ひずみが許容せん断ひずみより大きくなっても,積層ゴム支承の高ひずみ域で発現するハードニングの変位抑制効果により,所要の耐震性を期待できる.さらに,免震橋のように橋脚の塑性化が制限を受ける橋は,橋脚に過強度があると弾性挙動に近づくため,地震時のせん断ひずみは大きくなりにくいことがわかった.

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