2017 年 73 巻 4 号 p. I_148-I_160
深層地盤構造による増幅特性は一般に一次元構造を仮定した増幅特性と比較して大きな振幅を示す.このため,解析的にサイト増幅特性を精度良く評価することは困難を伴うことが多く,強震記録の解析により評価される.一方で,耐震設計や地震防災の観点からはサイト増幅特性を任意の地点で簡易に評価することが求められる.本研究では,一次元の深層地盤構造を仮定した周波数伝達関数を補正することでサイト増幅特性を安全側に評価する方法について,中部・北陸・中国・四国地方を対象に,クリギング法等の適用を検討した.さらに,周波数伝達関数の精度が悪い場合の改善方法として,常時微動H/Vスペクトルを用いて精度向上を図る方法についても検討した.