地震工学論文集第34巻(論文)
3次元地盤震動解析と多数シナリオの構造物応答解析による都市地震シミュレーション
2015 年 71 巻 4 号 p. I_680-I_688
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2015 年 71 巻 4 号 p. I_680-I_688
京コンピュータの大規模・高速計算能力を活用し，実街区スケールの非線形3次元地盤震動解析と，構造物群の多数シナリオ地震応答解析からなる都市地震シミュレーションを行う．ここでは，新宿の1.25 km x 1.25 kmの領域を対象に15 Hzの時間分解能まで精度を保証できる地盤モデルを作成し，1995神戸波と1968八戸波に対する地盤の震動を計算した．構造物モデルに含まれる不確実性をシミュレーション結果に反映するため，上記の領域に含まれる4,066棟の構造物それぞれに対し構造パラメータを振った多数の構造物モデルを作成し，その地震応答を計算する．サンプル数を10,000まで増やすことで，応答の確率分布が収束することを確認した．本研究のように3次元地盤震動解析と多数シナリオの構造物応答解析を組み合わせることで，被害想定の科学的合理性を高め，結果を確率分布として評価できるようになると期待される．
