2015 年 71 巻 4 号 p. I_246-I_256
津波によって橋梁に作用する波力の発生メカニズムを明らかにし,津波作用力の定式化を目的として陸域を遡上する津波先端にみられる砕波段波状の波を想定して,橋梁の橋桁を模擬した孤立波実験を実施した.この実験から得られた桁模型に発生する鉛直作用力に着目し,津波の作用状況と桁の上下面の圧力分布から,鉛直作用力の関数となる諸量を分析した.この結果,孤立波性状の波が桁に衝突して発生する鉛直作用力は,桁下面全域を被圧面積とした圧力の積分値で説明が可能であることに加え,波高を変化させた実験結果から,波高の増加に伴って鉛直作用力も増加することが明らかとなった.このことから,鉛直作用力は波高と桁下の被圧面積の関数であることが明らかとなった.