2011 年 67 巻 2 号 p. 166-180
本論文は,材料非線形有限要素解析の結果から,性能照査の枠組みに沿って,RCはり部材の損傷や破壊を評価するための方法を提案したものである.有限要素解析より得られる各要素積分点における局所ひずみから,偏差ひずみの第2不変量および正規化した累加ひずみエネルギーを算出し,これらをある領域内で空間平均化することにより,材料の損傷の定量化を行った.算出した平均化損傷指標を用いて,RCはり部材の曲げ破壊およびせん断破壊を統一的に評価する手法を提案した.提案した手法を用いれば,材料の力学モデルが異なる解析手法に適用した場合にも,部材の損傷評価が可能であることが確認された.