2023 年 79 巻 24 号 論文ID: 23-24013
建設業では,工事の計画段階や作業手順書作成時にリスクアセスメントを実施している.それらは実施時期と実施者により内容に差があるが,作業に潜むリスクを予測し,労働災害を防止するために実施している.今世紀初頭,これまでの方法では把握できないリスクを明らかにし,災害を防止する手法としてFRAM(機能共鳴分析手法)が提唱された.現場を社会技術システムとして,現場で行われる活動を機能として捉え,結合・依存しあう機能の組み合わせにより出現する機能の共鳴により,リスクを明らかにする分析手法である.FRAMが定性的分析方法であることによる,実施者による分析結果の差を少なくするため,FRAMに半定量的方法を用いることで,より客観性の高い分析結果が得られ,隠れたリスクについての対処が可能になった.