2023 年 79 巻 19 号 論文ID: 23-19002
本研究では,応力を解放することで掘削をモデル化する粒状体個別要素法を用いた解析手法を新たに開発し,その解析手法について論じるとともに,応力境界型のモデル実験との比較により地山挙動や崩壊土圧について解析手法の妥当性を評価した.これにより,本手法は,砂質地山特有の不連続体的な挙動やトンネルの崩壊時の土圧をよく再現し,それらを評価するのに有用であることが分かった.また,解析手法をトンネル部分の自重や静止土圧係数を考慮した地山初期応力を解放できるように拡張し,その結果について述べた.解析やモデル実験におけるトンネル崩壊時の土圧について,Terzaghiの緩み土圧との比較を行い,変形挙動との関係について論じた.