2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17162
干潟造成材料である浚渫泥は海水に拡散させないことを前提とするため,浚渫泥の有機性状の分析は実施されていない.本研究では,浚渫泥投入の経過時間の異なる2つの造成干潟から浚渫泥を柱状採取,分析して各々の浚渫泥の有機特性,栄養塩の溶出特性を検討した.覆砂完了後,数年と数10年経過した干潟浚渫泥では,含有される栄養塩量の差は小さいが,浚渫泥が海水に露出すると栄養塩の有機泥への結合状態が変化して,表層浚渫泥から栄養塩が溶出し易くなること等を明らかにした.