土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
汽水域湿地帯における連続観測による大気と水面の二酸化炭素フラックスの変動特性
大谷 壮介山里 輝
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2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17147

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抄録

 本研究では汽水域湿地帯における大気(湿地生態系)と水面のCO2フラックスを同時に連続観測することで,日中・夜間を考慮した両CO2フラックスの時間変動を明らかにすることを目的に観測を行った.湿地生態系のCO2フラックスは水面のCO2フラックスと比べて変動が大きく,春から夏にかけて大きな吸収を示した.水面のCO2フラックスは時間変動が小さく,冬を除いてほとんどの時間帯で放出を示した.湿地生態系のCO2フラックスの変動要因は日中において日射量,夜間において鉛直風速が寄与しており,水面のCO2フラックスの変動要因は日中・夜間ともに水温,潮位および堰からの放流量が寄与していた.以上のことより,汽水域湿地帯の湿地生態系と水面のCO2フラックスについて,季節別の日中・夜間における変動特性を気象条件と関連付けて明らかにした.

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© 2023 土木学会
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