土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(応用力学)論文
個別要素法を用いた横方向加振時の粒状貨物荷重に対する壁-粒子間摩擦係数影響の評価
鶴田 若葉栁本 史教石橋 公也
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2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15025

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抄録

壁面摩擦の作用によって,横方向加振時の粒状貨物から船舶の貨物倉が受ける荷重は液体動圧と異なる挙動をすると考えられる.本研究では,三次元個別要素法を用いて壁面摩擦係数が粒状貨物荷重に及ぼす影響を評価した.粒子を充填した擬似二次元矩形容器に対して横方向に加振した解析において,動圧は液体貨物とは異なる分布形状を示した.また,底板・側壁の摩擦力を考慮することによって,粒子が衝突する側壁での動圧が壁面摩擦係数の増加につれて減少すると示した.一方で,壁面摩擦が側壁動圧の低下に及ぼす影響は,現実的な摩擦係数の範囲において有意な差は生じなかった.これらの結果から,壁面と貨物間の摩擦による荷重の低減を考慮することで合理的な設計が可能であることが示唆された.

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