2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15006
本研究は, 地表面と工学的基盤において観測される地震動加速度記録の同時学習によるデータ駆動型地震応答解析手法の開発を目的とした基礎研究である. 地震応答解析においては, 入力地震動の非定常性と地盤材料の非線形性への対処が重要な課題となる. そこで, Koopman 作用素理論に基づき, 実空間で観測される時系列データに対して, 時間遅延埋め込みによる高次元化と動的モード分解による次元圧縮を融合した手法を適用し, 高次元空間において線形モデルによる時間発展表現を可能とする地震応答解析モデルの構築を試みた. 本研究では, 実地盤における観測記録に対して提案手法を適用し, 高精度に地震応答を再現する線形モデルの構築を実現させ, 外挿推定への有効性を示した.